Android アプリ開発のためのサポートライブラリについて
Android の新しい API level で追加された機能を古い API level でも使用できるようにしたり、その他便利機能を提供するサポートライブラリが、Android SDK により提供されています。 それなりに古い端末もサポートしながらアプリ開発をする場合はサポートライブラリ (の一部) はほぼ必須なのですが、サポートライブラリについて初心者向けに書かれている情報があまりないのでまとめておきます。
サポートライブラリの種類
サポートライブラリの種類としては、2015 年 6 月 13 日現在 (support library revision 22.2.0) のところ以下のものがあります。
- v4 Support Library: Android 1.6 (API level 4) 以降を対象としたライブラリで、Fragment などが使えるようになる。 古い API level の端末もサポートする場合はほぼ必須。
- v7 Support Libraries: Android 2.1 (API level 7) 以降を対象としたライブラリ群。
- v7 appcompat library: Action Bar の実装を提供する。 古い API level の端末もサポートする場合はほぼ必須。
- v7 cardview library:
CardView
ウィジェット が使えるようになる。 Material design の実装に便利。 - v7 gridlayout library:
GridLayout
クラス を提供する。 - v7 mediarouter library
- v7 palette library: 画像から重要な色を抜きだすための
Palette
クラス を提供する。 - v7 recyclerview library: 巨大なデータ集合の一部をリスト形式やグリッドビュー形式で画面に表示するのに使用できる
RecyclerView
クラス が提供される。
- v8 Support Library: Android 2.2 (API level 8) 以降のためのもの。 RenderScript 演算フレームワーク のサポートを追加する v8 renderscript library が含まれる。 このライブラリのアプリへの組み込み方は他のライブラリとは違っている。
- v13 Support Library: Android 3.2 (API level 13) 以降のためのもの。
- v17 Leanback Library: TV 端末用の UI を構築することを支援する API が提供される。
- Design Support Library: ナビゲーションドロワー (navigation drawers) やフローティングアクションボタン (floating action buttons; FAB)、スナックバー (snackbars) やタブ (tabs) といった、マテリアルデザインのための種々のコンポーネントやパターンの実装を提供するもの。
- Multidex Support Library: 複数の Dalvik 実行ファイル (Dalvik Executable ファイル; DEX ファイル) でアプリをビルドすることを支援するライブラリ。 参照するメソッド数が 65,536 以上のアプリの場合は multidex 構成 (multidex configurations) を使う必要がある。
- Annotations Support Library: Android アプリ開発時に役立つ各種アノテーションが提供される。 (このライブラリについては以前エントリを書きましたので参照してください。)
サポートライブラリのセットアップ
サポートライブラリを使用するために、まずは Android SDK Manager を使ってサポートライブラリをダウンロードします。 上記ページに書いてあるように、Android SDK Manager を開き、“Extras” の “Android Support Repository” を選択して、インストールしてください。 (Android Studio で開発している場合。)
次に、サポートライブラリに対する依存関係をプロジェクトの build.gradle に記述します。 例えば v4 support library の revision 22.2.0 を使用する場合は以下のようになります。 (Support Library Features のページに、各ライブラリの依存関係の記述方法が書かれています。)
dependencies { ... compile "com.android.support:support-v4:22.2.0" }
Gradle を使用しない場合の方法は 「Support Library Setup」 に書いてあります。
android-support-v4.jar って バージョン 4 じゃないんですね
android-support-v4.jar って、最初見たときに 「Android Support Library」 の version 4 だと思ってた (つまり、android-support-v4.jar にはバージョン違いのものが存在せず、バージョンアップしたら android-support-v5.jar とかになると思ってた) のですが、そんなことはないんですね。
ということをこないだ知ったのでこの記事を書きました。
更新履歴
- 2015-06-13 : Android Support Library revision 22.2.0 の内容に合わせてエントリの内容も更新。