読んだ : 最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと
ラインマネージャに任用されたのでマネジメント系の本を読んだりしてる。 これは社長おすすめの一冊。
最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと
- 作者: マーカスバッキンガム,Marcus Buckingham,加賀山卓朗
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/01/01
- メディア: 単行本
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本書では、「マネジメント」、「リーダーシップ」、「個人の継続的な成功」 の 3 つの主題について、それぞれ最も重要なことは何かということが述べられる。 実際にマネージャとして仕事をしていくうえでは学ぶべきこと、知っておくべきことはいろいろあるけれど、根幹となる考え方として本書の内容は非常に明確でわかりやすく、実際に有用であると感じた。
読書メモ
組織の成功について
本書の第 1 部では、組織の継続的な成功について、マネージャとリーダーの違いと、それぞれで大切なたったひとつのことが述べられる。
マネージャについては以下のようなことである。
- 部下の才能を業績に結びつけるいちばんの方法を見つけ出すことが、優れたマネージャの仕事。
- ひとりひとりの強みや弱み、特色を見いだし、有効に活用すること。 ときには仕事の方をメンバーに合わせて変更する。
- 部下のために働く。 部下にとっての目標を出発点にして、そこから企業の目標に結びつけることを考える。
- 成長を手助けすること。 自社でのキャリアだけでなく、本人にとって最も良い道を探す手助けをする。
- ひとりひとりの特色を見いだす。 そのための質問例。
- 強みや弱み : 最近仕事が楽しかったのや辛かったのはいつか。 何をしていたときで、それは何故か。
- 引き金 (動機づけ?) について : これまで一番うまくいったマネージャとの関係は? なぜ? いままでに承認を得た中で一番心に残っているのは? それはなぜ?
- 独自の学習スタイル : これまでの仕事で一番多くを学んでいると思ったのはいつか? なぜ? 一番の学習スタイルはどういうもの?
ひとりひとりの 「人」 を見る、ということをすごく重要視している。 個人的にはあまり得意ではない部分なので、意識してやっていきたい。
会社のミッションと個人のミッションをすり合わせるという話については 『ALLIANCE』 が非常に参考になる。
ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用
- 作者: リード・ホフマン;ベン・カスノーカ;クリス・イェ,篠田真貴子;倉田幸信
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/07/10
- メディア: 単行本
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リーダーについては以下。
- すぐれたリーダーは、よりよい未来に向けて人々を一致団結させる。
- そのためにたった一つの大事なことは、普遍的なことを発見して、それを活用すること。
- 未来を明確に示し、不安を取り除く。
- リーダーシップの 3 つの規律。
- 考える時間を作る : 未来を明確に示すためには熟考して結論を出す必要がある。 多忙な中でも時間を割いて熟考する。
- ヒーローを慎重に選ぶ : 未来に向けてとるべき行動を示すために、ヒーローを選ぶ。 (この人のこういう行動が未来に向けて良い、ということを示す。)
- 練習する : 伝えるための言葉やイメージ、ストーリーを練習する。 同じ言葉を何度繰り返しても繰り返しすぎだと思わないこと。 自分が繰り返しに飽き始めるころにやっと相手の心に届く。
目指す先を明確にするというのは非常に大事だと思う。 事業のビジョンを明確に打ち出すというのも、そのひとつなのだと思う。
意識はしていてもなかなか難しいことではあるが、マネージャとしては最初にこの 2 つの 「たったひとつのこと」 を大事にしていくと良さそう。
個人の成功について
第 2 部では、個人の継続的な成功について語られる。 本書では、個人の継続的な成功を 「可能な限り大きな影響を最も長い期間与えること」 とおいている。
- 個人が継続的に成功するために大切なたったひとつのことは、自分がしたくないことを見つけ出し、それをやめること。
- 正しい戦術を見つけ、それを活用するだけではありきたりな存在になる。 自分の個性をいかすこと。
- 弱みを克服することは重要ではない。 人が最も多くを学び、やりがいを感じるのは強みの分野。
- 強みを見つけ、それを伸ばすことは、必要ではあるがそれが最も重要なことではない。 強みを活かしつつも他のやりたくない仕事が多量にあると継続的な成功は難しい。
- 自分がしたくないことをやめるための戦術 : 役割をやめる、役割を微調整する、正しいパートナーを探す、役割の中で自身の力を引き出す側面を見いだす
- チームに対して、そして未来に対して最高の貢献ができるように軌道修正を行うのは、常に自身の責任である。
感想
組織で仕事をしていくうえで、本書に書かれている内容はいずれも重要であると感じた。 マネジメント研修でも、「仕事の側面に注目しがちだけど、人の側面も大事」 ということや 「仕事のサイクルの中で一番大事なのは計画で、目的を明確にしてそれを伝える必要がある」 というようなことを言われたのだけど、本書に書かれてる内容を踏まえてそういう話を聞くと納得感も高かった。
個人の成功についての話も大事な話で、「強みを伸ばす」 というのも一つの大事なことではあるけれど、強みとやりたいことが違う場合もあるし、強みを伸ばしながらも他の作業に忙殺される状況もあるし、そういったもろもろを避けるために 「やらないことを決めて、それをしないようにする」 というのをやっていこう。